物語ノ紙片集 多草月のお噺 (お一人様一点、各お噺一回のみ)

※お一人様一点、各お噺一回のみ。割引対象外商品となります

NG-013 物語ノ紙片集 多草月(たぐさづき)のお噺
内容:物語ノ紙片 25枚・多草月のお噺 1篇
サイズ:外袋 300×225mm

是まで拵えてきた
紙文具のモチーフとなっている
其の月の季語と記念日を採取し
其れ等に纏わる25枚の大小様々な紙片と

その紙片から烟のように
また泡のように立ちのぼってきた
コトバの欠片を繋ぎ合わせて綴った
小さな小さな物語のセット

五月の季語は
柏餅・罌粟(けし)の花・薔薇
−新歳時記 増訂版 虚子編より

五月の記念日は
すずらんの日・鯉の日
アイスクリームの日・自転車の日

新緑の月の夜に
鈴蘭と鯉と、五月に纏わる
物語ノ紙片集は如何でしょうか


多草月のお噺

アイスクリーム屋の
幟が夕風にはためく頃
池の畔の右側に咲く薔薇と
左側に咲く罌粟の花は閑かに
其の花瓣を池に落とし始める

眞ん中に咲く鈴蘭が小さな花を
一齊に鳴らし始めると池の底から
眞白な鯉が現れ一枚の薔薇の花瓣を
頭にのせると赤い模樣となり

また別の眞白い鯉が
二、三枚の罌粟の花瓣の下をくぐると
頭から尾に掛けて黒い模樣が浮かび上がり

また別の眞白い鯉は丁度
薔薇と罌粟の花瓣の下をくぐると
その鱗には赤と黒の模樣が美しく
浮かんでくるのでした

鈴蘭の音が止むと水色の自轉車が止まり
池の近くのベンチに腰掛け
柏餠をひとつ摘み始める
「あっ、錦鯉」さう呟いて
暫く池の鯉を眺めると
また自轉車に乘り夜の幕の降り始めた
町へと歸つて行きました
  • 1,000円(内税)

型番 NG-013