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物語ノ紙片集 花残月のお噺 (お一人様一点、各お噺一回のみ)
※お一人様一点、各お噺一回のみ。割引対象外商品となります
NG-012 物語ノ紙片集 花残月(はなのこりづき)のお噺
内容:物語ノ紙片 25枚・花残月のお噺 1篇
サイズ:外袋 300×225mm
是まで拵えてきた
紙文具のモチーフとなっている
其の月の季語を採取し
其れ等に纏わる25枚の大小様々な紙片と
その紙片から烟のように
また泡のように立ちのぼってきた
コトバの欠片を繋ぎ合わせて綴った
小さな小さな物語のセット
四月の季語は
桜餅・沈丁花・亀鳴く
桜・菜の花・蝶・風車
春日傘・蛙
−新歳時記 増訂版 虚子編より
亀の鳴く月の夜に
桜と蛙と、四月に纏わる
物語ノ紙片集は如何でしょうか
花残月のお噺
紫色の空の下
二羽の紋白蝶が菜の花で
かくれんぼする頃
蛙は仕立てたばかりの
眞白い傘を櫻の木の下に竝べ
その木をじつと見上げると
椅子に腰掛け
櫻餠をつまみ始めた
沈丁花から馨が溢れ出し
その馨に目覺めた
龜がひと聲鳴くと
セルロイドの風車は
くるくると回りはじめ
沈丁花の馨は
どこまでも流れてゆく
「來た」と呟いた蛙が
椅子から立ち上がると
目の前の傘には
櫻の花びらが降り注ぎ
濃い青に變はつた空の下で
眞白い傘は次々と
櫻色の春日傘へと
變はつてゆきました
1,000円(内税)
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特定商取引法に基づく表記(返品等)
型番
NG-012